よくある事故例

燃料事故

キャンプ初心者によくある事例で主に取り扱いの不備によることが多い事故です。

ガスカートリッジの事故例は花見などが盛んにおこなわれたコロナ以前は毎年必ずと言っていいほど聞かれました。ガスカートリッジが熱せられ破裂し、爆発による熱風や熱せられていた飛散物による火傷や裂傷が主な人的被害になります。

ゲル状着火剤による火傷も最近よく聞かれます。着火剤はコールドスタートが原則です。火の上りが悪いからと言って炭火に着火剤を投入するのは大変危険です。木炭への着火は要領がありますのできちんと学んで行ってください。

 

動物・植物による事故

1)クマ・イノシシ・サル・カラス・シカ

2) 

3)ハチ・ヘビ

4)カ・アブ・ブユ(ブト・ブヨ)・ムカデ・ケムシ・マダニ

5)皮膚かぶれ ウルシ・ハゼ・ヌルデ・ツタウル 

6)採取誤食 スイセン・イヌサフラン・彼岸花・キノコ 

7)切り傷 ススキ・アザミ・オニノゲシ・イバラ・サンショウ・メギ 

8)有毒 キョウチクトウ・トリカブト・ドクゼリ・ドクウツギ・ハシリドコロ・アセビ

 

非常によくある事例ですが地元の人やキャンプ場なら管理スタッフに聞いて状況を把握しておくべきです。

対応策

1)地元の方からの聞き取りが重要です。

 クマは九州にはいませんが九州外でのキャンプでは近年遭遇例があるか地元の方に聞きましょう。朝夕明るいうちに活動することが多いようです。にぎわっているキャンプ場に出ることは少ないようですが人気の少ないところでは注意が必要でしょう。

 イノシシは基本的には夜行性で、カラスは明るいうちのみの活動です。明るいうちは食料を出しっぱなしにした状態で目を離さないこと。就寝時食料はクーラーボックスなど硬い収納に入れて、車に入れるかテント内で管理するか厚手のビニールに入れるなどしましょう。

 シカはあまり人がいるところに近寄ってきませんが車の前に飛び出して衝突という事故もあるようです。

3)もともとの生息地に我々が入っていって遭遇することになります。

 ハチはスズメバチだとしても1匹を発見してもあわてず騒がずこちらが普通にしていればどこかに移動します。数匹いたのであれば頭を下げて来た方向に静かに逃げましょう。

 ヘビは毒蛇か否かで対処が分かれます。沖縄以外では毒蛇は2種類しかいません。マムシとヤマカガシの見た目を覚えておくといいでしょう。毒蛇や判断できない場合は管理者に連絡しましょう。毒蛇でない場合は基本長い棒などで追い払うといいでしょう。

4)夏は蚊に刺されずにキャンプから帰ってくることが難しいかもしれません。しかしあまり被害にあわないに越したことはありません。服装で対策する。基本長袖長ズボンがいいでしょう。虫よけを塗る。スプレー缶方式よりも液体で手に出して各部署に塗り込むタイプ(霧吹きスプレーでも可)をお勧めします。飛び散らないので周りに迷惑でなく無駄が少なく確実かつ細部に塗ることができます。火を焚いていると寄って来ません。もちろん蚊取り線香など蚊よけグッズはたくさんあり状況によってお好みのものを使うと有効です。

 アブは服の上からでも噛んできます。ですが対策しやすい虫です。体も羽音も大きいので異常に怖がる方も多いですが噛みつかれなければ何という事はない虫です。体にとまってもすぐには噛みつきません。3・4秒の猶予がありますから基本的に動いている人は噛まれません。噛まれたからと言って重症化した人をあまり聞きませんが、痛いのとしばらく腫れるので噛まれたくはありません。蚊よけ剤はあまり効かないようです。ブユと同様ですがハッカ系のにおいがするものが効果あります。独特の匂いなのでなじめない人もいるかもしれません。私は極力殺虫剤は使わず発見しやすい虫なのでその都度タオルなどで叩き落しています。テントの中にいれば追い出すことを考えるよりも叩き落す方が楽です。アブは持久力ないのでそんなに長く連続で飛ぶことはできません。テント内にとまらせないようにどんどん払てやると1分もすると飛べなくなり、払うタオルに叩かれてしまいます。タオルで追い払う際は周りに気を付けてください。くれぐれも火や熱いものを倒さないように注意してください。

 ブユは水辺のごく近くの草むらにいます。川遊びしている子供を木陰で監視しているスタッフがよく被害にあいます。ブユに刺されると蚊に刺されるよりひどい症状が出ます。かゆいを通り越して痛痒い感じです。刺されたときはわかりにくいので被害が拡大することが多いです。ブユがいそうな場所ではしっかりハッカ系の虫よけを塗りましょう。

 ムカデは夜行性です、睡眠中に刺されたり、夜中のうちに移動して靴の中に入っていたり地面に置いたものの間にいたりして刺されたりします。体に触れると瞬時に噛まれますので触るのは厳禁です。寝床にいても子供は(気づかないので)刺されず大人が(払いのけるなど)反応して刺される例が多いものです。皮手袋をしているか靴を履いている状態のときに発見すれば余裕で、つぶしてしまえば処理できます。つぶせない場面ではガムテープに張り付けることをお勧めします。詳しい対処の仕方は別途お伝えします。ちぎれても2匹になって再生するとか、つぶしたり焼いたりすると匂いで仲間が集まるとか、夫婦2匹で行動するとかはあり得ない都市伝説です。一匹いる環境であれば何匹いても不思議はないという事です。とにかく寝床に入れないことです。日昼からテントのファスナーは必ず全て(メッシュだけで良い)締めておく、寝るときは靴もテント内に入れておくとよいでしょう。破れのあるテントはリペアしておくべきです。

 これらの虫に刺されるなどした場合はポイズンリムーバーが非常に効果的です。ファーストエイドキットとしてポーチに入れておくといいと思います。

5)

 

 

転倒・滑落

キャンプでの活動場所はいつもとはちがう環境です。木の根っこや石や岩が地面から不規則に出張っています。普段舗装路や整備されたグランドでしか活動していない子どもたちにとってキャンプでの活動は不慣れなものです。転倒による怪我のリスクはいつもより非常に高いと言えます。

 

 

火・刃物

 キャンプでは切り傷や擦り傷や火傷などは必ずあるものと思っていなくてはなりません。それに対するファーストエイド用品は必ず用意しておきましょう。まず切り傷・擦り傷は水道水で洗うことが肝心です。そのことで治りの速さが格段に違ってきます。その後清潔に止血さえできればハイドロコロイド包帯を貼ることで治っていきます。傷が深い場合や止血できない場合は医療機関での治療が必要です。ハイドロコロイド包帯はキズパワーパッドなどと同じ素材で湿潤治療用の素材です。カサブタができずに早く治り、傷跡がほとんど残りません。ハイドロコロイド包帯を貼ると傷口から体液が出てきてその部分だけ包帯が膨らみます。傷口にとって本来はハイドロコロイド包帯だけで良いのですが、そのままだと剥げやすいのと、汗や外部からの水の侵入を防ぐため防水フィルムを包帯よりも大きめに貼っておくと安心です。特に子どもは活動的ですのでフィルムを貼った方がいいでしょう。防水フィルムがしっかり貼れていればお風呂も洗い物などの水仕事もすることができます。フィルムが剥げたら包帯ごと貼り直すようにしています。傷によっては2,3日で治るのでキャンプ初期に怪我した子どもが帰りには治っているといったこともあります。私はこのハイドロコロイド包帯と防水フィルムをファーストエイドポーチに入る大きさに切って数枚常備しています。

 

飲み水

きれいな川の水、本当にそのまま飲んで大丈夫でしょうか?大腸菌 ピロリ菌 エキノコックス 直接飲むのならあまり味は良くないかもしれませんが水道局が引いた上水道水を飲めば安心です。基本上水道水以外は煮沸して飲みましょう。